プロジェクトワークが主流となりイノベーションを起こすことが求められている昨今、ビジネスを加速させるためにはプロデューサーの存在が必要不可欠です。しかし、プロデューサー育成に悩む企業も少なくありません。
そうした課題を解決してくれるのが、株式会社ネームレス代表取締役 金田 隼人氏が2019年に発案・研修事業を開始したプロデューサー教育メソッド「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)」です。
今回は、「プロデュースシンキング®︎」の導入企業であるNECソリューションイノベータの八尋 美徳氏と金田 隼人氏の対談をお届けします。
八尋 美徳 氏
NECソリューションイノベータ 氏
1963年福岡県生まれ。1985年九州日本電気ソフトウェア株式会社に入社、地元企業や自治体と一緒にIT関連のオープンソリューションを提案、実施。事業企画部や生産革新推進室などを経験したのち、2016年4月にイノベーション戦略本部長となると同時に東京本社勤務に。現在はエグゼクティブフェローとして社会課題を解決する新ビジネスを創出するため、イノベーション推進本部を含む複数の部門を率いている。 氏
プロデュースシンキング®︎を活用できれば会社の武器になる
ーーまずは、お二人の馴れ初めを教えてください。
金田:
八尋さんに初めてお会いしたのは、5年ほど前になりますね。NECソリューションイノベータが共創活動に取り組んでいた際、声をかけていただいたのがきっかけです。
八尋:
当社では、提供しているソフトウェアのほとんどを受託開発しています。受託開発に携わるエンジニアのキャリアや顧客価値の向上などを考える上で、また当社ならではの強みを伸ばす上でも新しいことにチャレンジする必要がありました。これからの時代を生き残るためにも、新規事業開発は必要不可欠です。
これからどう進んでいけばよいか悩んでいたときに出会ったのが、金田さんでした。金田さんは知見があり経験も豊富な方なので、ぜひご一緒したいと思いました。それからお仕事をご一緒するようになり、最近では当社でプロデュースシンキング®︎の組織向け研修を行っていただいております。
金田:
NECソリューションイノベータでは、社員の方向けに1回5時間、全8回、計4ヶ月のプログラムを実施させていただいております。
ーープロデュースシンキング®︎についてもう少し詳しく教えていただきたいです。
金田:
プロデュースシンキング®︎は、事業開発プロデューサーの能力を体系化した教育メソッドです。 プロデュースの事象をもとにチームビルディングやビジネスモデルの構築、スキーム作りなどを実践的に学び、プロデューサーに必要なスキルを身につけるというもの。現在、企業や自治体、大学などで導入いただいています。
プロデューサーというと、「プロデューサー=音楽プロデューサー」をイメージする方が多く、企画力や提案力、マネジメント力などが必須だと思われがちですが、それだけではありません。自身のマインドセットや他視点を持ち合わせた状況判断、チームビルディングなども重要な要素なんです。
プロデュースシンキング®︎では、「MIND(マインド)」「VIEWPOINT(ビューポイント)」「SKILL(スキル)」の3つにわけて、プロデューサーに必要な思考や視点、能力を実践的に身につける育成研修を行っています。
八尋:
プロデュースシンキング®︎は、マインドやビューポイントといった部分を重要視していますよね。一緒に働くメンバーのキャリアや顧客価値の向上といった、当社が抱えていた課題解決のヒントになるかもしれないと思い、導入させていただきました。プロデュースシンキング®︎のメソッドを社内で活用できれば、当社の武器にもなります。
一人ひとりのマインドが事業の成長に大きく影響する
八尋:
NECソリューションイノベータでは、数多くのプロジェクトが同時進行で動いています。社会課題解決のプロジェクトを行う上で強く意識しているのが、地域に貢献したいということ。NECソリューションイノベータは全国各地の支社を統合してできた会社なので、地域貢献意識を持ったメンバーが特に多いように感じます。
私自身も地方を訪れる機会が多いのですが、ほとんどの自治体には地域プロデューサーがいて、企業、住民などと連携しながら、持続可能な地域づくりや地域経済の活性化を担うなど必要不可欠な存在になっています。
金田:
地域プロデューサーを育成するには時間も労力もかかります。
八尋:
はい。プロデューサーに必要なことをフレームワーク・フォーマット化している金田さんにお力添えをいただき、地域の課題解決に向けたお手伝いができればと思っています。私は、体系化したものを社内の誰もが共通して使えるようにすることが大切だと思っています。金田さんと意見交換しながら、横展開していくことが理想のカタチですね。
金田:
プロデュースシンキング®︎では、プロデューサーに必要な価値観や考え方を基礎OSと設定し、マインド・ビューポイント・スキルの3つにわけています。多くの方に研修を受けていただき、各地域の方々とも一緒にプロデュースシンキング®︎を体系化させていけたらいいですよね。御社ではOSのアップデートやリスキリングというカタチでプロデュースシンキング®︎を活用されていると伺ったのですが、OSアップデートの重要性をどのように捉えていますか?
八尋:
私たちは何か問題が起きてから対処するケースが多くなりがちだと思います。ですが、ソリューションをただ提供するのではなく、本来であれば先に予測したりしながら課題の本質をとらえることやペインポイントを、取り組みながらも見つけ出していくべきだと思います。
小さな課題だけをずっと追いかけていても、事業として成り立たないというのも正直なところです。大きな社会課題の解決が可能なバリューチェーンを提供できる、そんな世界を作りたいと思っています。
そのためには、プロデュース能力が不可欠だと思います。プロデュースシンキング®︎の考え方を、イノベーション推進本部が先陣を切ってもっと社内に広めていきたいですね。
一人ひとりのマインドが事業の成長に大きく影響する
金田:
ありがとうございます。あくまで私の考え方ですが、プロデューサーの要となるのはマインドです。マインドは、プロデュースシンキング®の土台なる部分でもあり、信頼関係の構築やメンタルコントロールなどと密接に関係していると思います。
八尋:
「自分の故郷に恩返しがしたい」「より良いソリューションを提供したい」というように、強い想いや熱意を持ちながら働いてくれるメンバーが当社には多いかなと思います。
金田:
以前、八尋さんがおっしゃっていた「会社の資産=人」という言葉がとても印象に残っています。
八尋:
そうですね。ありがたいことにお客様からも、NECソリューションイノベータは「素敵な人が多い」「タレントが豊富」と言っていただけることが多くて純粋に嬉しいです。それこそが当社が誇る財産のひとつだと思っています。プロデューサーを育成することが会社の成長へつながるので、プロデュースシンキング®︎のメソッドをどんどん活用していきたいですね。
金田:
ありがとうございます、ご期待に沿えるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。本日はありがとうございました。