INTERVIEW

2023.11.12

プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)は、事業開発や企業成長に欠かせない重要なメソッド

今回は、「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)」の賛同者である京都大学経営管理大学院 客員教授・オムロン株式会社イノベーション推進本部シニアアドバイザー竹林 一氏と金田 隼人氏の対談をお届けします。

竹林 一 氏

京都大学経営管理大学院 客員教授・オムロン株式会社イノベーション推進本部シニアアドバイザー 氏

機械に出来ることは機械にまかせ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきである との理念 に感動してオムロンに入社。以後新規事業開発、事業構造改革の推進、オムロンソフトウェア代表取締役社長、オムロン直方代表取締役社長、ドコモ・ヘルスケア代表取締役社長を経て現職。2016年日本プロジェクトマネージメント協会特別賞受賞、2019年1月同協会PMマイスター認定。著書にモバイルマーケティング進化論、PMO構築事例・実践法、利益創造型プロジェクトへの三段階進化論等がある。 氏

金田:
竹林さんは「イノベーションの仕掛け人」「イノベーションの伝道師」として知られ、新規事業立ち上げや会社経営など幅広く活躍されていますよね。

竹林:
オムロン株式会社に入社後、鉄道カードシステム事業やモバイルサービス事業、電子マネー事業など新規事業の立ち上げに携わらせていただきました。オムロンソフトウェアの構造改革やドコモ・ヘルスケア設立といった会社経営も経験させていただきましたね。2018年にはイノベーション推進本部を立ち上げ、現在はデータ流通事業、自立介護事業、に取り組んでいます。

イノベーション推進本部を立ち上げるときに会社から、「イノベーションが起こり続ける仕組みを作ってほしい」といわれまして。イノベーション推進本部というその名の通り、イノベーションプラットフォームとしてナレッジを蓄積していくようなイメージです。

金田:
誰でも新規事業を立ち上げられる仕組み作りが必要だったんですね。

竹林:
そうです。「ソーシャルニーズの創造」「組織・しくみの変革」「人財の育成」という3つのミッションを掲げ、社会的課題の解決を目指す新規事業の創出に取り組んでいます。

金田:
「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)」も、組織の中にいる人にフォーカスを当てた組織向け研修に取り組んでいます。竹林さんのお話にもありましたが、イノベーションを起こすためにはプロデューサーの存在が必要不可欠です。

竹林:
プロデューサーを育成する仕組みや体制を整えていかなければならないですよね。

金田:
プロデューサー育成の講座もありますが、方法論を学んで終わってしまうケースが多く実務に活かせないのが現状です。プロデューススキルというのは、座学を受けてワークショップに参加しただけで習得できるほど簡単ではありません。

プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)では、「MIND(マインド)」「VIEW POINT(ビューポイント)」「SKILL(スキル)」の3つを基本OSに設定しています。基本OSというのは、プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考®︎)が大切にしている価値観や考え方です。

「MIND(マインド)」「VIEW POINT(ビューポイント)」「SKILL(スキル)」3つをもとに座学と実践を繰り返しながら、チームビルディング、ビジネスモデルの構築といったプロデューサーに必要な素養・スキルを身につけていただきます。

イノベーションを起こすことが求められている昨今、プロデューススキルが備わることであらゆるビジネスシーンにも適応できるようになりますから。

竹林:
イノベーションといえば、インタビューや講演会で「失敗しないコツを知りたい」と言われるんですが、失敗しないことが大失敗だと思っています。

金田:
新しいチャレンジには失敗はつきもので、トライアンドエラーを何度も繰り返してその学びを次にどう活かすかですよね。

竹林:
「失敗=悪」だと思ってしまったら誰も新しいことに挑戦できなくなってしまいます。これからも失敗や年齢に捉われず、どんどんチャレンジしていきたいです。次の私の目標は、京都大学経営管理大学院の客員教授として地元である京都で100年続くベンチャー企業をどんどん増やしていくこと。京都には、創業から350年続く西陣織の老舗、創業450年の歴史を持つ花街や1000年以上続く老舗のあぶり餅屋などがあります。

金田:
長く続いている歴史ある企業は共通して、ぶれない「軸」があるんですね。

竹林:
そういうことですよね。目先の利益だけを追うのではなく、会社を立ち上げた動機や当時の熱い想いを振り返って「やりたかったことは何だったのか」と考え、原点に戻ることは大事だと思います。

金田:
「何のためにやっていたのか」と軸が見えなくなり迷路に入ってしまいますよね。自走できる人材を育成できるよう頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。